椎間板ヘルニアの話
腰で起きる症状で、椎間板ヘルニアは、なかなか治りにくい疾患です。なぜ治りにくいのかというと、日頃、椎間板を痛める姿勢があまりに多いからです。
床にある物を持って運んだり、正座以外の座り方をしているときは、ほとんど椎間板に負担をかけています。
背骨を垂直にした姿勢の場合は大丈夫なのですが、何も考えずに物を持ったり、座ると90%以上の確率で、腰(腰椎)をかがめてしまいます。
これを繰り返すことにより、腰椎の椎間板に亀裂が入り、中にある髄核と言う代物が飛び出てそれが神経に触れたりして、痛みやしびれをきたします。
<じゃあ、どうすればいいか?>
1.とにかくあまり座らない。
日本人は世界で一番座っている時間が長いそうです。座りすぎることによって筋肉も低下し、心筋症、糖尿病などのリスクが増すので、死亡率も上がることになります。
スタンディングデスクと言って、立ってデスクワークをする机が開発され、それを取り入れて従業員の健康維持に使っている会社も出てきました。
また、アップルウオッチなど、30分以上座っていると、立つように警告されるものもあります。
2. もし椎間板ヘ ルニアになってしまったら
あなたが何かをしているときに腰痛や脚のしびれなどがあったら、その時していることや、その時の姿勢に問題があります。少し休んだ後、腰をかがめないように意識して、もう一度試してください。
そして、腰椎が床に対して垂直になるか、少し反って座るようにしてください。椅子に座っているときなども、同じようにしてください。これで症状がかなり防げます。
強い痛みが出たら冷やし、慢性の痛みの場合は、暖めるようにしてください。
<鎮痛剤を 飲んだらどうなるのか>
はっきり言って椎間板ヘルニアが原因で起きる痛みやしびれは、少量の鎮痛剤ではあまり効果が無い場合が多いようです。当院へ来た患者さんで朝昼晩強めの鎮痛剤を飲み、毎回座薬も入れ、腰を直角に曲げ、両手に杖をついてきた方がいました。十数回の治療で、ほぼ完治しましたが、薬だけではほんの少しだけ痛みが和らぐだけだったようです。まれに若い人で鎮痛剤の服用だけで治る方もいて、調べたら、免疫細胞の一つであるマクロファージが、飛び出た髄核を半年かけて処理してくれたようです。
つまり、薬だけでは完治は難しく、姿勢などから変えていかないと、かえって悪化するかもしれませんので、信頼のおける、カイロプラクティックの治療院や整体をお薦めします。
<手術をすると どうなる?>
以前ある病院で椎間板ヘルニアの手術をする予定でやめてしまった患者さん達と、手術を受けた患者さんたちの5年後の腰痛の再発を調べたらどちらも50%だったことがわかり、手術をしてもしなくても5年後の腰痛再発率は同じ事が分かりました。